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おりものの異常・異変

おりものの異常(色や臭い)は病気のサインかも

おりものの異常(色や臭い)でお悩みなら│たはらウィメンズクリニック│吹田市の婦人科・女性内科・不妊治療おりものとは膣や子宮出口からの分泌物で、本来の働きは膣粘膜の潤いを保ちながら病原体の侵入や増殖を防ぐものです。膣は尿道や肛門に近く、細菌の侵入しやすい部位にありますので、おりものの果たす役割は重要です。
おりものの異常ですが、見た目などで判断するのは比較的簡単です。量が多い、色や臭いがいつもと違うなどの特徴があるからです。ただし異常だからといって必ずしも何らかの病気の疑いがあるというわけでもありません。おりものの役割や正常・異常の区別、注意が必要な点について知っていただき、必要な時に的確な治療を受けるようにしましょう。

正常なおりものとは

排卵の時期(月経と月経の間の中間の時期)には卵胞ホルモンの分泌が多くなるので、おりものの量が増えます。この時期には透明な粘り気のあるおりものが多く分泌されますが、この場合は心配ありません。また妊娠中にも卵胞ホルモンの分泌が多くなり、おりものの量が増えます。更年期になると女性ホルモンの分泌が減るので、おりものの量は減ってきます。大体40代の頃からおりものの量が減っていき、閉経の頃にはほとんどなくなります。

おりものが多い・水っぽい?こんな症状はありませんか?

以下の表のようなおりものの状態がある場合は、病気が疑われます。

白色~透明

おりものの色や性状 特徴や症状 考えられる病気
白色や黄色のおりものが増加 不正出血・性交時の出血・タンポン使用時の出血 子宮頸部びらん
膿のような黄色いおりもの 不正出血・性交時の出血 子宮頸管炎
水っぽい透明のおりもの 不正出血・性交時の出血 クラミジア感染症
酒粕やヨーグルト状のおりもの 外陰部のかゆみ・痛み・腫れ カンジダ外陰膣炎

赤・ピンク~茶色

おりものの色や性状 特徴や症状 考えられる病気
ピンク色~茶色のおりもの 少量の不正出血・軽い下腹部痛 妊娠初期の着床出血
赤色~褐色のおりもの 不正出血・下腹部痛 子宮体がん
赤色~褐色のおりもの 不正出血・下腹部痛・性交時の出血 子宮頸がん
血の混じったような茶褐色のおりもの 不正出血・激しい運動後の出血・性交時の出血 子宮頸管ポリープ

黄色~黄緑

おりものの色や性状 特徴や症状 考えられる病気
黄色またはピンク色のおりもの 外陰部のかゆみ・違和感・不快感・性交時の痛み・出血 萎縮性膣炎
黄色い膿を伴うおりもの 発熱・下腹部痛・不正出血 子宮内膜炎、子宮留膿症
黄色い膿を伴うおりもの 高熱・強い下腹部痛・不正出血・吐き気・嘔吐 卵管・卵巣炎、骨盤腹膜炎
黄色・クリーム色のおりもの 外陰部のかゆみ 細菌性膣症、カンジダ外陰膣炎
膿のような黄色いおりもの 外陰部のかゆみ・不正出血・性交時の出血・排尿時の痛み 淋菌感染症
泡だった黄緑色のおりもの 外陰部のかゆみ 膣トリコモナス症

おりものの異常を引き起こす原因や疾患

おりものの異常(色や臭い)でお悩みなら│たはらウィメンズクリニック│吹田市の婦人科・女性内科・不妊治療何らかの病気が原因でおりものの量が増えたり、いつもとは異なる色のおりものが出たりすることがあります。考えられる病気は以下の通りです。

クラミジア感染症

排卵期でもないのにさらさらとした水っぽいおりものが大量に出たり、おりものの色が黄色や黄緑色になっている場合はクラミジア感染症が疑われます。クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという細菌に感染することによって起こる病気で、日本では最も多い性感染症とされています。
多くの場合、クラミジア感染症は無症状または症状が軽度のため、感染に気づきにくいですが、排尿時や性交時に痛みを感じることがあります。放置すると子宮外妊娠や不妊の原因にもなることから、早期の治療が必要です。

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淋菌感染症

淋菌感染症は、淋菌という細菌に感染することで発症する感染症です。症状としては黄色の膿性帯下が増え子宮頸管炎を起こします。尿道に感染すると尿道炎を起こし、排尿痛を生じます。バルトリン腺炎や直腸炎を起こすこともあります。放置しておくと、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎に進展します。

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トリコモナス膣炎

トリコモナス膣炎とは、トリコモナス原虫という寄生虫によって起こされる感染症です。性行為だけでなく、タオルや下着・便器・浴槽の共有によっても感染する可能性がある病気で、性器内にトリコモナス原虫が入り込むことによって発症します。
症状は、臭いが強く黄色の泡状のおりものが増加するほか、膣や外陰部に強いかゆみや痛みを感じます。膣以外にも膀胱や子宮頸管、尿道に感染する場合があります。放置すると早産や不妊症・卵管炎・子宮内膜炎などを起こす場合があります。

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ガンジダ症

ガンジダ症とは、皮膚・口腔・消化管・膣などに存在するガンジダ菌が身体の抵抗力の低下などをきっかけとして増殖して発症する病気です。特に膣で増殖した場合は「膣ガンジダ症」とも呼ばれます。
膣ガンジダ症の場合、おりものの量が多くなったり、白く濁ったおりものが出たりするほか、膣や外陰部のかゆみ、膣や外陰部に白っぽい苔のようなものが付着するといった症状が見られます。排尿時や性交時に痛みを感じることもあります。

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細菌性膣症

細菌性膣症は、膣の中の細菌バランスの変化によって起こる病気です。具体的には膣内の常在菌であるガードネラ菌や腸内細菌である大腸菌などが繁殖することで起こります。通常膣の内部は乳酸桿菌という菌が産出する乳酸によって酸性に保たれ、他の細菌の侵入を防いでいますが、ストレスや疲労、体調不良などで免疫力が低下したり、膣や外陰部を洗いすぎたりすると、乳酸桿菌の働きが低下する結果、膣内で他の細菌が繁殖することになり膣炎等を発症します。

子宮腟部びらん

子宮膣部びらんとは、子宮の膣に面した部分の粘膜が赤くなってただれているように見える状態を言います。
これは病気ではありませんが、この状態が見られると子宮頸管炎などの感染症になりやすくなります。
症状としては血液の混じった赤いおりものが出たり、不正出血を起こしたりすることがあります。またびらんがあると細菌感染などによる炎症も起こりやすくなります。炎症が生じると黄色い粘性のおりものが増えます。

子宮頸管炎

子宮頸管炎とは、子宮の下部にある子宮頸管が、細菌に感染することによって炎症を起こす病気です。
多くの場合、膣炎を発症し、そこから細菌が侵入して炎症を起こします。原因となる細菌は大腸菌やブドウ球菌、淋菌などです。最近はクラミジアによる感染も増加しています。
症状としては初期にはおりものの量が多くなります。病気が悪化してくると悪臭のある膿のような黄色いおりものが多くなり、不正出血や下腹部痛などの症状も見られるようになります。放置していると子宮内膜炎や卵管炎、卵巣炎を引き起こします。

子宮頸がん・子宮体がん

子宮頚がんや子宮体がんは、子宮にできるがんです。子宮の入口(頸部)にできるがんを子宮頸がん、子宮体部にできるがんを子宮体がんと言います。どちらも早期発見できれば比較的予後の良いがんですが、進行すると治療が困難になります。がんが進行すると、茶褐色の膿のようなおりものや水っぽいおりもの、粘性の強いおりものなどが見られます。またおりもののにおいが強くなることがあります。
検診などでの早期発見が重要です。

子宮頸がん・子宮体がんについて
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いつもと違うおりものが
出たら、早めにご相談を

おりものの異常(色や臭い)でお悩みなら│たはらウィメンズクリニック│吹田市の婦人科・女性内科・不妊治療おりものは女性の身体を健康に保つために通常生じるものですが、その量や色によっては何らかの病気のサインにもなります。
いつもとは違うおりものが出たと思った際は放置せず、当院までご相談ください。