- イライラする・お腹が痛い・・
生理前にこういった症状は
ありませんか? - PMS(月経前症候群) /PMDD(月経前不快気分障害)とは
- PMS(月経前症候群) /PMDD(月経前不快気分障害)の症状チェック
- PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)の原因
- PMS(月経前症候群) /PMDD(月経前不快気分障害)になりやすい人の
特徴 - 30代でPMSがひどくなった?
年齢とPMSの関係について - PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)の治療
イライラする・お腹が
痛い・・生理前にこういった
症状はありませんか?
ホルモン分泌の乱れにより、生理痛や生理不順などの生理のトラブルを抱えている女性の方は多いです。また、生理前にイライラしたり、気分が落ち込んだり、疲れやすくなったり、眠れないなどの症状が見られることもあります。これらの生理のトラブルでお悩みの方は、当院までご相談ください。
PMS(月経前症候群) /PMDD(月経前不快気分障害)とは
PMS(月経前症候群)
PMS(月経前症候群)とは、月経が始まる3~10日前から現れる身体的および精神的な症状の総称です。これらの症状は、月経の開始とともに軽減または消失する特徴があります。月経開始前に不快な症状を感じる女性は多いですが、これらの症状が3ヶ月以上繰り返し続き、日常生活に支障をきたすほど症状がひどい場合にPMSと診断されます。
PMDD
(月経前不快気分障害)
PMSの諸症状の中でも、特にイライラや気分の落ち込みなどの精神面での不調が著しく、日常生活に支障を来す場合は、PMDD(月経前不快気分障害)と診断されます。
PMSとPMDDの
違いについて
PMSは、身体面と精神面の両方に症状が現れます。その中でも特に精神面での不調が著しく、日常生活に支障をきたす状態をPMDDと呼びます。
PMS(月経前症候群) /PMDD(月経前不快気分障害)の症状チェック
PMS(月経前症候群)の
症状
PMSには、身体の症状と心の症状があります。月経が始まる3~10日前に下記の症状のうち少なくとも1つが現れ、月経開始後4日以内に軽減または消失します。この症状が2周期以上繰り返され、日常生活に支障を来す場合にPMSと診断されます。
身体の症状
- 乳房の痛み・張り
- お腹の張り
- 頭痛
- 関節痛・筋肉痛
- 手足のむくみ
- 体重増加
- 倦怠感
など
心の症状
- 抑うつ
- イライラする
- 不安になる
- 社会からひきこもる
- 集中力の低下
など
PMSの症状が現れるのは月経前の時期です。月経が始まってからも下腹部の張りやひどい痛みが続く場合は、PMSではなく月経困難症の可能性があります。
PMDD(月経前不快
気分障害)の症状
PMDDは、PMSの症状の中でも心の症状が特に著しい状態であり、PMSの重症型とみなされています。
主な心の症状4つ
- 著しい感情の不安定性(突然悲しくなり涙が止まらない等)
- 著しいイライラによる対人関係の摩擦の増加
- 著しい抑うつ、絶望感、自己批判的な思考
- 著しい緊張や不安
など
PMDDには、上記の症状のうち1つ以上が現れます。
診断基準となる症状
- 日常生活における興味の減退
- 集中力の低下
- 倦怠感、易疲労、気力の欠如
- 食欲の著しい変化、過食
- 過眠または不眠
- 圧倒される、自分自身を制御できなくなる
- 他の身体症状(乳房の張り・痛み、関節痛・筋肉痛、腹部膨満感、体重増加)
など
PMDDは、主な心の症状が1つ以上あり、上記の症状と合わせて5つ以上の症状が見られ、これらの症状が原因で日常生活に支障を来たし、症状が3ヶ月以上繰り返される場合に診断されます。
PMS(月経前症候群)
/PMDD(月経前不快気分障害)
の原因
PMSとPMDDの明確な原因は、現在でもまだ明らかになってはいません。しかし、PMSとPMDDには、以下のようなさまざまな要因が密接に絡まっていることがわかってきています。
- 排卵から月経前までの黄体期には、エストロゲンとプロゲステロンが分泌されていますが、黄体期後期の月経3日~10日前になると、エストロゲンとプロゲステロンが急激に減少します。このホルモンの変動が中枢神経に影響を及ぼすために、PMSやPMDDの症状が引き起こされると考えられています。
- 神経伝達物質の働きもPMSやPMDDの症状に密接に関連しており、黄体期には、脳内伝達物質であるセロトニンが低下することが分かっています。セロトニンには本来、心を安定させる役割が備わっているため、この物質が低下すると、感情のコントロールが上手くできなくなり、イライラや不安感が現れやすくなるとされています。また、同様の神経伝達物質のGABA(ギャバ)は不安を抑制する役割を持っているのですが、黄体期後期にプロゲステロンが減少するため、GABAによる不安の抑制効果も弱まり、強い不安感が生じやすくなる傾向にあるとされています。
PMS(月経前症候群) /PMDD(月経前不快気分障害)になりやすい人の特徴
PMSは、なりやすい人とそうでない人がいます。生活習慣や性格、年齢、出産経験などにより、以下の条件に当てはまる方はPMSになりやすいと言われています。
生活環境の変化
- 不規則な生活をしている
- 飲酒や喫煙の習慣がある
- 食生活が偏っている
- ストレスをためやすい
など
性格の特徴
- 真面目、几帳面、完璧主義
- 我慢強い
- 負けず嫌い
- 努力家
など
年齢・出産経験の特徴
- 20~30歳代の方
- 出産経験がある方
など
30代でPMSがひどくなった?年齢とPMSの関係について
妊娠や出産、子育て、仕事など、女性のライフステージが変わることで生活環境が変化し、そのストレスがPMSの発症に影響すると考えられています。また、年齢によってもPMSの症状は変化します。
20代では身体的症状のみだったPMSが、30代になると精神的症状が顕著に現れるPMDDになるケースもあります。さらに出産経験のある女性は精神的な症状が多く現れ、出産経験のない女性は身体的症状が多く現れることもあります。
PMS(月経前症候群)
/PMDD(月経前不快気分障害)
の治療
PMSの治療において第一選択薬は、超低用量ピル(LEP合剤)です。その他にも、経口避妊薬、黄体ホルモン剤(ジェノゲスト)などがあります。
ホルモン療法
PMSの治療において第一選択薬は、超低用量ピル(LEP合剤)です。その他にも、経口避妊薬、黄体ホルモン剤(ジェノゲスト)などがあります。
薬物療法
PMSの症状を和らげるための対症療法を行います。
SSRIs(抗うつ薬)、抗不安薬、睡眠導入剤、漢方薬、トリプタン系薬剤(片頭痛治療薬)、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、胃腸薬など、症状に合わせて処方します。
その他(カウンセリング・生活習慣改善)
治療薬を使用しない治療方法としては、カウンセリング、認知行動療法、食事療法や適度な運動などの生活習慣の改善、サプリメントによるハーブ療法やビタミン療法が行われます。特に、精神症状が強く出ている場合には、カウンセリングや認知行動療法が有効とされています。カウンセリングで自分の病状を理解・整理することができ、認知行動療法によって精神症状への対処法を身につけることができます。