生理不順は病気？
生理不順は病気ではなく、正常な生理周期（25～38日）から外れている状態を指します。
具体的には、39日以上生理が来ない場合や、24日以下で生理が来る場合です。
生理不順の症状･種類
生理不順には、続発性無月経、頻発月経、稀発月経の3種類があります。
無月経
無月経とは、これまで規則的に生理が来ていたにも関わらず、3ヶ月以上生理が来ない状態を指します。何らかの原因でホルモンの機能が低下もしくは停止してしまい、排卵が起こらず月経が止まるケースが多いです。
このような状態は「続発性無月経」と言われるのに対し、一度も月経が来ていない場合は「原発性無月経」と言われています。
頻発月経
頻発月経とは、生理周期が正常よりも短く、月経の頻度が多い状態を指します。具体的には、生理周期が24日以内である場合を頻発月経と言います。生理の出血期間が10～14日と長く続く場合、排卵が起こっていない可能性も考えられます。
稀発月経
稀発月経とは、生理周期が正常よりも長く、月経の頻度が少ない状態を指します。具体的には、生理周期が39～89日である場合を稀発月経と言います。月経が始まってから排卵するまでに日数がかかる遅延排卵のケースもありますが、排卵が起こっていないことが多いです。
生理不順の原因
女性ホルモンのバランスが乱れている
生理は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンによってコントロールされています。これらのホルモンは脳の視床下部、脳下垂体、卵巣の3つの器官が関与して分泌されています。そのため、これらの器官にトラブルが生じて排卵がうまく起こらないなどによりホルモンバランスが乱れると、生理の周期に影響が出ることがあります。
精神的なストレス
生理不順の原因として最も多いのは、精神的なストレスです。精神的なストレスはホルモン分泌に影響を与え、生理不順を引き起こすことがあります。
生理がこない、遅れるのは
なぜ？ストレスチェック
リスト
脳がストレスを感じると、副腎からストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。このコルチゾールの影響で、卵巣からのホルモンの分泌に乱れが生じ、生理不順の原因となることがあります。以下のストレスチェックリストを使って、あなたのストレス度をチェックしてみましょう。
- 就寝や起床の時間が不規則だ
- 寝ても疲れがとれない
- 大幅に体重が増えた、または減った
- 激しい運動を定期的にしている、または全く運動をしていない
- 嫌なことが頭から離れない
- 自分に嫌気を感じることがある
- 便秘や下痢が続いている
- 肌荒れや紙のパサつきがある
- 生理痛やPMSの症状が重い、動悸がすることがある
生理不順の治し方
ホルモンバランスの乱れによる生理不順を改善するためには、生活リズムや食生活の見直しをすることが大切です。
生活習慣を改善する
規則正しい生活習慣は、生理不順の改善に効果的です。食事、運動、睡眠などの生活習慣を見直し、規則正しい生活習慣を送るように心がけましょう。
質のいい睡眠、睡眠時間を確保する
成人の適切な睡眠時間は約6～7時間とされています。睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠の質を上げるために以下のことを心がけましょう。起床後に日光を浴びることも、睡眠の質の向上に繋がります。
- 食事は就寝2時間前までに済ませる
- 入浴は就寝1～2時間前までに、熱すぎないお湯で済ませる
- 就寝前のカフェインや飲酒は避ける
など
生理不順で病院を
受診する目安
3か月以上生理が来ない
ホルモンバランスの乱れや排卵が正常に行われていない可能性があるため、速やかに受診しましょう。
半年以上生理が来ない
場合
女性ホルモンの分泌に問題がある可能性が高いため、年齢に関係なく速やかに受診しましょう。
特に注意すべきポイント
- 妊娠を希望する方: 早めに病院で検査を受け、適切な治療を受けることが重要です。
- 10代の方: 初めて生理が始まってから1～2年は、生理周期がまだ安定していないことが多いため、少し様子を見ることも考えられます。ただし、心配な場合はいつでもご相談ください。
生理不順は身体の重要なサインであるため、放置せずに適切な対応をすることが大切です。症状が不安な方は、お気軽に当院にご相談ください。
生理不順に関する
よくある質問
生理不順を放置するとどうなりますか？
生理不順を放置すると、若い女性の場合、卵巣機能に大きな影響を及ぼし、不妊の原因になる可能性があります。
さらに長期間放置すると、発がんリスクが高まったり、骨折しやすくなったりする可能性もあります。正常な生理周期から外れている場合は、放置せずに気軽に当院までご相談ください。
生理不順かどうかを確かめるには？
生理不順を訴える場合、まずは妊娠の有無を確認します。妊娠の確認は尿検査（尿中hCG）で診断します。
妊娠していない場合は、生理不順を起こす病気がないか、経膣超音波検査、細胞診検査、血液検査を行います。
生理不順だと妊娠しにくくなりますか？
ホルモンバランスの乱れや無排卵は不妊の原因となります。そのため、生理不順を放置していると妊娠しにくくなる可能性があります。
ただし、生理不順だからといって必ずしも妊娠しないわけではないため、妊娠を希望されない方は避妊が必要です。