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卵巣腫瘍

卵巣

卵巣腫瘍でお悩みなら│たはらウィメンズクリニック│吹田市の婦人科・女性内科・不妊治療卵巣は子宮の両側に位置する親指ほどの大きさの臓器で、楕円形をしています。
女性はこの卵巣内に生まれながらにして数百万の原始卵胞を持ち、成熟して卵子になると毎月1つずつ卵巣から排出されます。
また卵巣は妊娠に向けて子宮を準備するために、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンを分泌する重要な役割も担っています。卵巣は腹部の深部にあるため、病気になっても自覚症状が出にくく、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。

卵巣腫瘍とは

卵巣腫瘍には多くの種類があり、臨床経過に基づいて良性、悪性、境界悪性(良性と悪性の中間)に分類されます。一般的に液体を含んだ嚢胞性腫瘍は良性のことが多く、充実性腫瘍の約75~80%が悪性または境界悪性です。

卵巣腫瘍は良性・悪性に関係なく、小さい場合は無症状であることが多く、大きくなるにつれて症状が現れます。腫瘍が大きくなると、下腹部の膨満感や腹囲の増大が感じられることがあります。

卵巣腫瘍のお腹の出方は?

卵巣腫瘍でお悩みなら│たはらウィメンズクリニック│吹田市の婦人科・女性内科・不妊治療卵巣腫瘍は直径20cm以上に成長することがあります。腫瘍が大きくなると、膀胱や直腸を圧迫して頻尿や便秘が生じたり、リンパ管の圧迫や静脈の還流障害によって下肢に浮腫が発生したりすることがあります。
腹水が貯留すると腹囲がさらに増大し、妊娠時のようにお腹が前に突き出します。さらに腫瘍の付け根部分がねじれたり(卵巣腫瘍茎捻転)、一部が破裂したりすると、激しい下腹痛が生じて緊急手術が必要になることがあります。

卵巣腫瘍の種類

卵巣腫瘍は、腫瘍の元となる組織によってさまざまなタイプがあります。
卵巣の腫瘍は、液体の入った袋のような病変が形成される”卵巣嚢腫”と、袋の中にしこりのような病変を形成する”充実性腫瘍”に分けられます。
卵巣嚢腫は、袋の中を満たす成分の違いによって”漿液性嚢腫”、”粘液性嚢腫”、”皮様嚢腫(奇形腫)”、”チョコレート嚢腫(卵巣子宮内膜症)”などに分けられます。
卵巣嚢腫は大きくなると破裂したり、卵巣の根元が捻れてしまう茎捻転どを引き起こしたりすることもあります。いずれも急な腹痛がおこり、緊急手術が必要な場合があり注意が必要です。

卵巣腫瘍の多くは良性ですが悪性腫瘍(卵巣がん)が生じることもあり、卵巣は”沈黙の臓器”とも呼ばれ、悪性になっても症状が現れにくいとされています。そのため、腫瘍が大きくなって腹囲が大きくなる、下腹部にしこりが触れるといった症状が現れてから初めて診断されることも少なくありません。
また、卵巣の悪性腫瘍はお腹の中の臓器に転移しやすいのが特徴です。

卵巣腫瘍の検査・診断

卵巣腫瘍でお悩みなら│たはらウィメンズクリニック│吹田市の婦人科・女性内科・不妊治療卵巣腫瘍が疑われた場合には、腹部の触診や内診のほか、超音波検査やCT検査、MRI検査などの画像検査を行います。
超音波検査で腫瘍が嚢胞性(袋状)の場合は良性であることが多いですが、充実性部分(塊の部分)がある場合や、全体が充実性の場合は悪性や境界悪性の可能性があります。
また血液検査として、腫瘍マーカーの採血測定を行います。
子宮がんの場合と違い、卵巣は骨盤内の深いところにあることから、腹部の皮膚から針を刺して組織や細胞を採取することができません。このため、画像検査で卵巣がんの疑いがあると判断された場合には、まず手術を行い、切除した卵巣や卵管の組織診断を行って、がんかどうかを確定します。

卵巣腫瘍の治療法

卵巣腫瘍でお悩みなら│たはらウィメンズクリニック│吹田市の婦人科・女性内科・不妊治療治療の基本は手術療法です。
良性腫瘍と診断された場合は、腫瘍だけを摘出し卵巣を温存する手術が選択されることが多く、近年では体に負担の少ない腹腔鏡下手術が広く行われています。ただし腫瘍の大きさや性質、腹部手術の既往歴によって適応が制限されるため、医師との相談が必要です。
境界悪性腫瘍の場合は、基本的には子宮、両側の卵巣・卵管、大網を切除します。
悪性腫瘍の場合では、さらにリンパ節や、進行により腸管や腹膜の一部も切除することがあります。

種類や進行度によっては健常な卵巣・卵管や子宮を温存できる場合もあるため、妊娠・出産を希望する方はできるだけ温存する手術を相談します。

卵巣腫瘍に関する
よくある質問

卵巣腫瘍の進行スピードはどれくらいですか?急に大きくなりますか?

一般的に、良性腫瘍の場合は急速に大きくなることはあまりありません。急速に大きくなった時は、良性と診断されていても再度受診するようにしましょう。

卵巣がんになると疲れやすくなりますか?

卵巣がんの初期症状の1つに、倦怠感(疲れやすさ)があります。がん細胞と体の免疫系が戦っているため、エネルギーが消費され、疲労感が蓄積しやすくなります。
日常生活の中で、いつもより疲れが取れにくい、疲れやすいといった状態が続く場合は、体に何らかの変調をきたしているサインかもしれません。そのような症状が見られたら、早めに当院へご相談ください。

卵巣腫瘍ができたらどうしたらいいですか?

卵巣腫瘍は良性、悪性、境界悪性に分類され、それぞれ治療方法が異なりますが、いずれの場合も手術が基本となります。
超音波検査などの画像診断で良性の可能性が高く、かつ腫瘍の大きさが小さい場合は、経過観察や薬によるホルモン療法を行うこともありますが、腫瘍が大きい場合や悪性の疑いのある場合には手術が必要になります。