- 子宮内避妊具(ミレーナ)とは
- 子宮内避妊具(ミレーナ)は
このような方におすすめ - ミレーナのメリット(効果)
- ミレーナのデメリット(副作用)
- ミレーナとピルはどっちがいい?
違いについて - ミレーナ挿入の流れ
- 保険適用される?ミレーナの費用について
- 子宮内避妊具(ミレーナ)の
よくある質問
子宮内避妊具(ミレーナ)とは
ミレーナ(IUS:子宮内避妊システム)は、子宮内に装着して避妊の効果を得る避妊具です。一般的には「避妊リング」とも呼ばれています。
ミレーナはレボノルゲストレルという黄体ホルモンを放出し、子宮内膜を薄い状態に保ちます。その状態を維持することで、受精卵の着床を防ぎます。効果の持続は5年程度です。
またミレーナの装着は、月経困難症や過多月経の改善にも有効です。2014年には、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症等に伴う月経困難症と過多月経に対する治療として保険適用が認められています。
子宮内避妊具(ミレーナ)は
このような方におすすめ
- 避妊したい
- 生理痛がひどい(月経困難症)
- 生理不順や月経が重くて悩んでいる
など
ミレーナのメリット(効果)
なにより高い避妊効果
ミレーナから放出されるレボノルゲストレルという成分は、子宮内膜を薄い状態にする以外にも、子宮の入口の粘液を精子が通りにくい状態にできます。そのため、高い確率で受精卵の着床や精子の侵入が防げます。
また使用開始後1年以内に妊娠してしまう確率は、コンドームが2%、低用量ピル(経口避妊薬)が0.3%なのに対して、ミレーナは0.2%と最も低いとされています。
月経困難症や過多月経
などの症状改善
ミレーナの子宮内膜を薄く維持する効果は、経血(月経時の出血)量の減少や生理痛の緩和に効果的です。状態によってはミレーナが使用できない場合もありますので、詳しくは当院にご相談ください。
効果が期待できる疾患
- 子宮内膜増殖症(異型のないもの)
- 子宮内膜症
- 子宮腺筋症
など
手入れや内服などの
面倒さがない
低用量ピルのように毎日決まった時間に内服したり、コンドームのように性行為のたびに装着したりする必要はありません。1回子宮内に装着してしまえば、最長5年間効果が継続します。
さらに、ピルの飲み忘れやコンドームの破損のようなアクシデントが起こらないのも大きな特徴です。
ミレーナのデメリット
(副作用)
5年以内の交換が必要
ミレーナは一度装着すると、最長5年間効果が持続します。使用期限が近づくと効果が低下するため、5年を超えないうちに交換しましょう。
ミレーナの考えられる
副作用
ミレーナの主な副作用として、月経出血日数の延長、月経時期以外の出血、月経周期の変化、腹痛、卵巣のう胞(一時的なものが多い)などが挙げられます。
装着後の数日~3週間程度は、軽度の出血・腹痛や腰痛・おりものの増加などの症状が起こりやすくなります。いずれも時間の経過とともに落ち着くため、過度にご心配いただく必要はありません。また装着から3~6ヶ月間に起こる月経時期以外の少量の出血も、一般的な副作用です。
また重大な副作用には、骨盤炎症性疾患、異所性妊娠(子宮外妊娠)、子宮穿孔(ミレーナが子宮の壁に入り込む)があります。高熱や下腹痛、出血などの異常を確認した際には、速やかに当院にご連絡ください。
ミレーナの挿入後に気になる症状が生じた際は、すぐに当院までご連絡ください。
適応しないケースがある
ミレーナの装着に適さないケースには、以下のようなものがあります。
- ミレーナの成分が身体に合わない
- 妊娠中である、もしくは妊娠しているかもしれない
- 大きな子宮筋腫や子宮形態異常がある
など
ミレーナとピルは
どっちがいい?違いについて
ミレーナとピルは、どちらも優れた避妊方法です。なお避妊効果自体は、ミレーナの方がピルより高い傾向があります。
ミレーナ
- 子宮だけに薬が作用する
- 卵巣の働きは維持され排卵もする
- 喫煙や内服薬に関係なく使用可能
- 一度挿入すると、約5年間避妊効果が持続する
- 副作用が起こりにくい
など
ミレーナ挿入の流れ
1診察
ミレーナの適応を判断するために、性感染症の検査や超音波検査などを行います。出産経験の有無や既往歴といった問診を経てから、施術へと進みます。
2施術
月経終了直後に装着します。内診台でミレーナを子宮の入口から挿入します。施術時間は数分程度です。
3定期的な検診
1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後を目安に、定期検診を行います。1年経過した後は、年1回の定期検診に切り替えます。
保険適用される?
ミレーナの費用について
保険適用となるのは、過多月経や月経困難症のケースです。避妊目的の場合だと、保険適用にはなりません。
なお、ミレーナ挿入の保険適用の値段は、3割負担なら初診の方で12,000円程度です。
保険適用の場合 | 約12,000円 |
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自費の場合 | 66,000円 (税込) |
子宮内避妊具(ミレーナ)の
よくある質問
子宮内避妊具(ミレーナ)をつけても生理は来ますか?
ミレーナは持続的に黄体ホルモン剤が放出されるため、子宮内膜が薄くなり月経自身がきちんと来なくなることがあります。そのため、ミレーナを装着した方の20%程度は無月経です。
ですがピルとは異なり卵巣もホルモンを出すため、生理不順や閉経になったわけではありません。血栓リスクもなく、高い避妊効果が得られます。
ミレーナをやめた理由で多いのは何ですか?
ミレーナをやめたいと考える理由の多くは、挿入後の持続的な出血とそれに伴う腹痛です。
最初のしつこい出血を乗り越えれば、快適に感じられる可能性が高いのですが、予想以上に出血が続くために、途中でやめたくなる方もおられます。
子宮内避妊具(ミレーナ)挿入後、性行為はいつからしていいですか?
性交渉は、挿入後1週間程度は様子を見てからにしましょう。
また、ミレーナが性交に影響することはありません。違和感がある場合は正しい位置に装着されていない可能性がありますので、当院へご相談ください。
子宮内避妊具(ミレーナ)をつけると太るって本当?
ミレーナの装着を原因として太る・体重が増えるという医学的根拠はありません。
子宮内避妊具(ミレーナ)は痛いですか?
経腟分娩を経験している方の場合、ほとんど痛みは感じません。ですが経腟分娩を経験していない方は、痛みを感じることがあります。
ミレーナで生理が終わらない、長引くのは良くないのでしょうか?
ミレーナのホルモンが子宮内膜を薄くするまでに、3~6ヶ月ほどの時間を要します。そのため内膜の状態が落ち着くまでは、生理が少量ずつ始まり、終わりもキレが悪くなります。そのようなことから、生理期間がミレーナを装着前よりも長引くと感じるケースがほとんどです。
挿入後の不正出血やダラダラした出血を防ぐには、ミレーナ装着前に3ヶ月ほどピルまたは黄体ホルモン剤を服用して、内膜を薄くしておくという方法があります。